CSRMベーシックガイドの総合訓練部分に補足する情報です。
震災時には、座屈した耐火建物や倒壊した木造家屋等に多数の要救助者が発生することが予想されます。こうした現場における救出・救助活動では、建物倒壊危険や重量物の落下危険など、多くの危険が存在しています。それらの危険要因を確実に把握し、隊員及び要救助者の「安全」を最優先に確立しなければなりません。しかし、100%の安全の確率は困難であり、さらには震災時特有の危険要因を理解していなければ危険要因を発見することも困難です。
倒壊建物対応には、建物の応急処置的補強技術として木材を活用した重量物安定化技術等があります。これらの技術を最適に選定するには、建物の構造等について理解しておくことが重要です。
ずばり、「建物の構造や重さを知らずに建物の応急処置的補強(ショアリング)について判断する事はできない。」のです。しかし、正確な重さを調べる事は不可能なので専門的な知識に基づいた目測(重量の推測)を行います。
倒壊建物対応とは
ここでは、構造物の専門家であり、外科医的建築家として世界的に活躍されている「今川憲英」先生に建物の応急処置的補強の際に必要な「建物の骨格」や「木造の空間の骨格」等の基本構造と事例を通して倒壊危険のある建物の危険度、重量目測、応急処置的補強の設置位置などについて具体的に解説していただき、倒壊建物と建物の応急処置的補強について学びます。
今川先生には、月刊消防連載時に3ヶ月にわたり、消防士のために分かりやすく解説していただきました。今回ホームページでショアリングを説明するにあたり、今川先生の解説は「なくてはならないもの」ですので掲載させて頂きました。
今川様、TIS&PARTNERSの小山様、清水様、南様、本当にありがとうございます。
建築家「今川憲英」先生による解説
KENGO君のCSRM修行
今川先生の講義資料
ショアリングの重要性について学ぶと「倒壊建物や倒壊しそうな建物には迅速にショアリングを実施しなければならない。」と理解し、全ての建物にショアリングが必要なイメージになってしまう場合があります。しかし、この理解は50点です。震災時にすべての建物にショアリングを実施していたら、救助活動が遅れるどころか開始不能になってしまいます。ここでは、倒壊建物の危険性を学び理解するのと同時に安全性についても理解することが目的です。震災現場ではマンパワーが不足し、ショアリングのための資機材も不足する可能性があるので安全性を適切に判断し、早期に対応できる現場を判断することも重要になります。
倒壊建物に対する応急処置的補強
(ショアリング)を学ぶ際の注意点
マメ知識
マメ知識
ショアリングの設定方法
ショアリングで使用される頻度が高いのと同時に様々なショアリングの基本となっているTWO POST VERTICAL SHORE(ツーポストバーティカルショア)とFULL TRIANGLE RAKER(フルトライアングルレイカー)について設定方法を説明します。
(※ここで紹介するショアリングの設定方法は救助活動におけるシステムが充実している諸外国において、一般的に示されている内容です。ショアリングの基本的な考え方でもありますが、ショアリングにより100%の安全が保障されるものではありません。本項目では、ショアリング実施が困難性の高いものではなく、単隊であっても十分に実施可能な安全確保技術であることを紹介するため、設定方法を掲載します。ショアリングの具体的な実施準備及び実施については、専門書などを参考に各本部で検討していただきたいと思います。)